ぎっくり腰の2つ目として、仙腸関節(骨盤の関節)があります。
腰椎の下にある仙骨という三角形の骨と、骨盤をつなぐ関節です。
実際の身体で診てみると指をさした当たりにあります。
女性の方が仙骨の横幅が広いので、指の位置も広めです。
男性だと、もう1㎝~2㎝ほど内側になります。
骨盤が開くとは、この指の位置が外側に移動します。
この写真の女性も少し開いていますが(左より右の方)、
更に外側に開いている人も人もたくさんいます。
指でこの骨を触ると解るのですが、
骨盤が正常に閉じて、仙骨とかみ合っている人は、
仙骨に被さり、骨の出っ張りを感じます。
骨盤が開きすぎている人は、仙骨から外れて骨の出っ張りを感じません。
骨盤の骨より、仙骨の方が出っ張って指に触ります。
コンセントが抜けたような状態です。
まだ解りづらいと思いますので、手で表現してみます。
左が骨盤が閉じているとき、被さっていますよね。
右が開いているとき、外れていますよね。
これが、骨盤が開く、閉じると言うことです。
訳もわからず、骨盤が開いてますね~と言われ、骨盤治しておきました~と言われると思います。
この骨を触って、実際に自分でチェックすることも出来ます。
ここからが、本題です。
ぎっくり腰その②と言うことで、突然痛くなるときは、
この仙腸関節が捻挫したような状態になります。
仙骨と骨盤には、いくつもの靱帯が張り巡らされています。
何かのきっかけで、大きく仙腸関節が開かれ、
靱帯が引き伸ばされるのです。
すると、上半身の重みを骨盤に乗せるだけで痛みが出ます。
つまり、右の仙腸関節に炎症が出たなら、右に体重をかけると痛いので、
ひどい場合は、左に傾けて、腰を曲げた状態で来るのです。
元々骨盤が開いている人は、頻繁にここに炎症が出る人もいます。
長時間座っていたり、立っているだけでも痛くなる人もいます。
元々開いている人はどうしてなの?と思いました?
それもまたぎっくり腰その①で話したことと類似してきますが、
下腹部が日常で緩んでいるため、支えがないので、骨盤が開いているのです。
骨盤は開けば、余裕がなく常に靱帯を伸ばしているのと同じです。
そこに長時間の負荷や、突然の負荷を与えられたときに靱帯がもっと伸びてしまうのです。
下腹部が緩んだ状態で、履きなれないヒール
のある靴を履いた時にも痛めることもあります。
日頃からの下腹部の締めが最大の予防です。
治療法としては、骨盤を閉じることです。
炎症が少なく、靱帯の損傷も少なければ一発で治ります。
あそこで、一発で治った!と聞くぎっくり腰の一つは、これです。
骨盤を閉じる技術があれば、容易なことです。
靱帯が縮むまでの間は、安静です。
ゴムの骨盤ベルトを、逆巻きにするのも良いです。
(お腹でマジックテープを止めず、後ろで止めるように逆に巻く)
それよりも、繰り返さないように下腹部を締める指導が必要となります。
いつも緩んでいるわけですから、股関節の硬さも邪魔しているかも知れません。
股関節が硬くなる訳は、座り方や歩き方にもあるかも知れません。
ぶり返したり、繰り返したりしないような、指導をしてくれる治療家を選ぶことも
とても重要になってきます。
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