筋肉は、表面に筋膜があり
筋膜の下にある筋腹と呼ばれる筋肉のかたまりがあります。
そのかたまりは、筋束と呼ばれる筋繊維がいくつも重なりあった集合体です。
筋膜リリースを売りにしている治療家や治療院はたくさんあります。
筋肉の束の表面には、全身に筋膜が張り巡らされていて、
その筋膜さえ緩めれば、全身緩むという考え方です。
確かに筋膜か緩むと動きやすくなりますが、
背骨や、股間節が動きやすくなったとは感じません。
親指の第一関節を上手に使うと、
筋膜は、ひと押しごと、ひと揉みごとに緩むのです。
わざわざ筋膜を弾くように揉んだり、揺らしたりする必要はないのです。
筋膜リリースだけして、深い部分の筋肉はどうするの?
私もそう思います。
筋束は筋周膜という膜で覆われており、となり合う筋束と筋束の間が区画が存在します。
長い間動かさずにいると、筋周膜同士がくっつき合うのです。
また、動かし過ぎると摩擦で炎症を起こし、それもまたくっつき合う原因となるのです。
筋束と筋束を寄せ合えば、区画である筋周膜にストレッチが掛かり、バラバラに離れます。
いわゆる、筋束リリースですね。
引き離した方が緩むのでは?と思う方もいると思います。
風船をイメージしてください。
両側を押すと、押したところではなく、両側が広がりますよね?
筋束の周りを筋周膜は覆っているのですから、風船と同じように引き延ばされます。
この時に、筋肉の中でも風船と同じようなことが起きていて、
くっつき合った筋周膜が離され、筋束が個別で自由に動かせるようになるのです。
この技術を使うことで、しこりのように固まった筋肉を上から無理矢理おすのではなく、
筋肉を傷付けずに緩ますことが可能になります。
くっつき合った筋束は、開放され、自由に動く事が出来るようになり、血行が良くなり
動きやすさを実感することになるのです。
固いからといって、何度も同じ所を押し続けて意味がないと言うことですね。
筋肉の本質をわかって、
ひと揉みごとに筋膜を緩ます治療家も
筋束を寄せ合ってバラバラにできる治療家も
本当にいないんです。