どこかの治療院に行って、いきなり「親指を見せてください」とは言えないですよね~
どこへ行っても必ず問診があると思います。
聞き手に回り、一番何を求めているのかを探る作業です。
その時に、なにげなく、施術者の親指を見て下さい。
良い親指はこれです。
親指のIP関節が大事
①「拇指球筋」と呼ばれる親指の筋肉のふくらみを見て下さい。
ここに、発達した筋肉があれば、経験が多い証拠です。
②親指の反りを見て下さい。
親指が反り過ぎている施術者は、揉みのあたりが悪いです。
※あたりとは、親指が身体と接するときの感触のこと
反りすぎている人は、親指の第一関節の角度を調整して使っていません。
③左右の親指が同じように筋肉が付いているかを見てください。
片方だけだと、片側ばかり使う施術者です。
揉まれたときに、「こっちは良かったのに、こっちはあまり効かないな~」とか、
「なんか角度が違うなあ~」と言った具合に感じます。
なぜ治療家にとって親指の第一関節が重要なのでしょうか?
理由はたくさんありますが、
一番は、角度調整を出来るということです。
そう言ってピンと来る方はいないと思いますが、
筋肉との接地面、指の入りの鋭さ、指の入りの柔らかさを調節できるのがこの第一関節なのです。
通常のマッサージや、指圧、按摩では、
下の写真のように完全に伸びきった状態で体重を乗せます。
親指のIP関節が大事
伸びきった状態で、体重を乗せる施術は、
一番簡単で、楽ですからほとんど治療家は、この角度だけでやっていることが多いです。
受ける人の感覚でいうと、
・ただ押しているだけ
・ただ体重を乗せているだけ
・ただ転がしているだけ
・ただ重いだけ
・ただ反動を使っているだけ
こんな風に感じます。
少しバリエーションをつけている人は、第一関節の角度を変えないまま
手首を使って転がしながら揉んでいます。
ここからが大事なポイントです。
下の写真は軽くIP関節を軽く曲げた(約10度)状態です。
この角度のまま全体重を乗せるようにならなければなりません。
下の写真は約45度IP関節を曲げた状態です。
この角度のままでも全体重を乗せれるようにならなければなりません。
第一関節の角度を0度から90度まで、1度きざみの角度変化を常に調節し、
全体重を乗せれるようにならなければいけない理由がたくさんあります。
細い腱のような硬い部分。
大きくふくらんだ背中の部分。
大きいけど角度を間違えるとすごく痛いふくらはぎ。
その部位その部位で、筋肉は様々な顔をもちます。
その全てに対応して揉まなければならないのです。
もしも、それを無視するようなことがあれば、
「痛くてなにも気持ちよくなかった」
「全然奥の方まで揉んでくれなかった」
「同じ所ばっかり揉まれた」
「押すだけでなにも揉んでくれなかった」
「力は良かったんだけど違った」
という感想を抱く事になるのです。
体重が乗った状態での、第一関節の角度調節を可能にするのが
下の写真にある母指球筋です。
色々な施術を受けても、あの人は合わない、中々合う人がいないと、思う方は、
この第一関節を自由自在に使いこなせる治療家に出会っていないのかもしれません。
ねっ、もりもりでしょ!